トイレはどこに設置するのが正解なんだろう?実家は玄関にトイレがあったけど、最近では洗面所の奥に設置している人もいるよね。我が家に合ったおすすめの場所を知りたいゾ!
トイレの位置で失敗しないために、よくある設置場所のメリットとデメリットを比較しました。
よくある設置場所はこちらの3つ。
- リビング(LDK)近くのトイレ
- 玄関フロア近くのトイレ
- 洗面所を通った間取りのトイレ
それぞれにメリットとデメリットがありますが、どの長所に魅力を感じ、どの短所に目をつぶれるか。
リビングやダイニングを優先したい気持ちもありますが、トイレを思いつきで配置をしてしまうと、プライベートな空間だけに強く後悔が残ります。
【この記事を監修した人】一級建築士rimo rimoさん
これまで100棟以上の住宅設計や設計管理をトータルに行ってきた、経験豊富な一級建築士さん。スキルマーケットのココナラでは「住まいづくりのセカンドオピニオン」ほか、多数のスキルを出品中。
新築トイレで失敗しない!よくある設置場所3つの特徴を比較
トイレの設置場所として、よくある間取りは次の3つです。
- LDKの近く
- 洗面所の近く
- 玄関フロアの近く
それぞれのトイレの場所の問題点や使いやすさを、次の8つの視点で比較してみます。
- ニオイや音の伝わり
- 来客者に貸しやすい
- お風呂前の使用のしやすさ
- トイレの暑さ・寒さ
- 出かける前・帰宅時
- 小さな子供の使いやすさ
- 落ち着いて利用できるか
- 玄関先での来客時の利用
トイレの設置場所 | 玄関フロア近く | 洗面所近く | LDK近く |
---|---|---|---|
ニオイや音の伝わり | |||
来客者に貸しやすい | |||
お風呂前の使用のしやすさ | |||
トイレの暑さ・寒さ | |||
出かける前・帰宅時 | |||
小さな子どもの使いやすさ | |||
落ち着いて利用できるか | |||
玄関先での来客時の利用 |
これらの特徴から、タイプ別のおすすめはこちら。
次の章からは、少し深堀りしてお伝えします。
使いやすさ重視なら「LDK(リビング)近くのトイレ」
使いやすさを重視するならLDK(リビング)近くのトイレがおすすめです。
LDK近くのトイレで、よくあるメリットはこちらです。
LDK(リビング)近くのトイレのメリット
- LDKから近いので行きやすい
- 子どもが小さな時期はラク
- 温かく使用できる
- 廊下がなくせる
LDK近くのトイレの最大のメリットはトイレまでの距離の短さ。
子供が小さなときや、介護が必要な家族がいる場合は、くつろぎ空間から近い場所にトイレがあると便利です。
LDK(リビング)近くのトイレのデメリット
LDK近くのトイレで、よくあるデメリットは次の4つ
- リビング等に音が伝わりやすい
- リビング等に臭いが伝わりやすい
- リビング等から便器が見える
- 来客時に貸しにくい
近いがゆえに、音やニオイの伝わりが懸念されます。
くつろぎ空間からの近いデメリットもありますが、そのトイレの近さが一番のメリットだと感じる方は「LDK近くのトイレ」がおすすめです。
リビングトイレは最悪だったという体験談の記事はこちらから。
効率化を図るなら「洗面所を通ったトイレ」
効率的に使いたいのなら、洗面所を通ったトイレが便利です。
洗面所を通ったトイレで、よくあるメリットはこちらです。
洗面所を通ったトイレのメリット
- トイレの手洗い場が不要になる
- 身支度の動線が効率的になる
- トイレ手前の廊下が不要になる
- 寒さが気にならない
- 音の伝わりが気にならない
洗面所の奥に設置しているため、音の伝わりが気になりにくくなります。洗面所をすぐに使えるので、身支度においても使いやすさが増します。
洗面所を通ったトイレのデメリット
- 来客にトイレを貸しにくい
- 洗面所が兼用だとトイレが使いにくい
- 帰宅時に直行できない
洗面所を通るトイレはちょっと奥まった場所であったり、洗面所は生活感が出やすい場所。
人に見られたくない物が置いてある可能性が高い場所でもあります。
トイレをあくまでもプライベートな空間として設置し、限られた間取りを効率的に活用したいなら、洗面所を通ったトイレがおすすめだといえますね。
洗面所を通ったトイレのメリットデメリットについては、こちらの記事で詳しくまとめています。
ゆったりとプライベート空間を保ちたいなら「玄関トイレ」
ゆったりとしたプライベートな空間を重視したいなら、玄関フロアのトイレがおすすめです。
玄関トイレでよくあるメリットはこちらです。
玄関フロア近くのトイレのメリット
- 外出時や帰宅後にトイレに行きやすい
- 来客者にトイレを貸しやすい
- くつろぎのスペースへの音・ニオイの伝わりが少ない
- 人の気配を感じにくい
- 帰宅後の手洗い場としても使える
外とつながる「玄関に近い」のがメリットと言えそうです。また、くつろぎ空間から遠い場所にあるので、落ち着いてトイレを使うことができそうですね。
玄関トイレのデメリットは次の5つ。
玄関フロア近くのトイレのデメリット
- 来客があると使用しにくい
- トイレが寒い
- 玄関ドアを開けるとトイレが見える
- 入浴前のトイレが遠くなる
- 小さな子供がいると大変に感じる
玄関先に来客者がいると、トイレが使いづらくなります。
また、リビングから遠いことから、移動が大変に感じることがあるようです。
落ち着いてトイレを使いたい、生活スペースと切り離したいという方には玄関トイレがおすすめです。
玄関トイレのメリットとデメリットはこちらの記事で詳しく書いています。
ほかにもまだある!トイレのこんな設置場所
よくあるトイレの間取りについてお話しましたが、配置場所としてはこちらもき気になります。
階段下にトイレを設置
階段下にトイレを設置するメリットデメリットはこちらです。
階段下にトイレを設置するデメリット
- 凹凸ができていびつな形になる
- 天井が低くなって圧迫感が出る
- 空間が狭くなる
- 収納スペースが足りなくなる
- 小さな窓になり勝ち
- 外からトイレの人影が見える
- 使える照明器具が限られる
- ドアが小さくなりやすい
- 階段の上り降りの音が響く
階段下にトイレを設置するデメリット
- 階段下を有効に使える
- 天井の凹凸も一つのデザインに感じられる
- 他の部屋を広くできる
階段下スペースは主に物置として使われることが多い場所ですが、トイレを計画することで有効的な使い方ができます。
その反面、限られた空間のため圧迫感を感じることも。
階段下トイレを検討されている方は、こちらに先輩施主の口コミも加えて詳しく書いています。
2階にトイレを設置
2階トイレでよくあるメリットとデメリットはこちらです。
2階にトイレがあるメリット
- 夜中のトイレが安全
- 通勤・通学時の渋滞問題に対応
- 中学生から使用頻度が急激にアップ
- 子供の友達がトイレを使いやすい
- 体調不良時の閉じこもりに便利
- 「大」の後のニオイを回避できる
2階にトイレがあるデメリット
- 費用が掛かる
- 間取りに影響
- トイレの掃除が1.5~2倍
- 階下に音が響く
2階にトイレがあると便利ではありますが、用を足す場所が2倍になるわけですから、そのぶん不快な現象が現れる場所が2倍になるともいえます。
ですが家族が多かったりすると、それを上回るメリットを感じるのも事実です。
2階トイレについては、2階にトイレは「いるのか?」「いらないのか?」問題について書いて、筆者の体験談をまとめています。
一級建築士からアドバイス!間取りで優先する階層を明確にしてトイレを配置しよう
それぞれにメリットとデメリットがありますが、今回記事を監修いただいた一級建築士 rimo rimoさんにから「トイレの位置や採用するトイレ」についてプロ目線からのアドバイスをいただきました。
【この記事を監修した人】一級建築士rimo rimoさん
これまで100棟以上の住宅設計や設計管理をトータルに行ってきた、経験豊富な一級建築士さん。スキルマーケットのココナラでは「住まいづくりのセカンドオピニオン」ほか、多数のスキルを出品中。
トイレのプライバシーを重視しよう
トイレは家族で共有するスペースであり、極めてプライバシーを重視すべき空間です。
住まい全体のプランから最適な場所・面積・仕様を選定しておきたいもの。
高齢の方がいらっしゃる場合は、バリアフリーのトイレや車いす利用、杖使用を想定した計画が必要です。
トイレへのアクセスを考慮しよう
トイレは毎日使うものです。トイレへのアクセスを最優先にするには階段下が最適です。
トイレのサイズは大きすぎても小さすぎても使いにくいもの。狭くても落ち着きのある空間をめざしましょう。
扉位置やその種類、動線との干渉に考慮すべきです。
トイレの設備や収納にも意識を向けよう
便器・手洗い器・手摺は最適な寸法を選定し、トイレットペーパーや生理用品などの常備品を収納する為に収納計画にも力を入れたいものです。
トイレタンクの有無について理解しよう
タンク有無による便器の違いについて、タンク無しトイレはデザイン性や清掃がしやすい利点がありますが、高価であること。
手洗い器を別に設けることで、配管も増えます。停電時や災害時に有利なのは、タンク有トイレです。
トイレを使うイメージしておこう
便器に座ったままトイレットペーパーを使えるように紙巻器を配置、収納の奥行はトイレットペーパーが納まる奥行20cm程度が目安。
手洗い器やペットトイレを設置するスペースも必要でしたら忘れずに検討すべきです。
トイレの位置に悩まれているかたへ。 トイレの位置の他にも、重要な事が潜んでいるもしれません。(例えば全体のゾーニングや動線など。)プランを俯瞰してみたり、家族で話し合ったり、少し時間を置いてから見直ししたりすると、新たな重要な事に気がつくことが出来るかもしれません。
そのほか新築のトイレでよくある後悔はこちらの記事でまとめています。